身体を強く打ち付けたり、転んで関節を痛めたりしたとき、「接骨院(整骨院)でもレントゲンを撮ってもらえるのかな?」「会社や保険会社に出す診断書は書いてもらえるの?」と疑問に思ったことはありませんか。
「骨が折れていないか接骨院の先生にレントゲンで見てほしい」
「交通事故に遭ったので、警察に出す診断書を接骨院で書いてほしい」
「接骨院で出してもらえる書類と、病院の診断書は何が違うの?」
ケガをして不安でいっぱいのとき、身近で相談しやすい接骨院ですべての手続きや検査が完結すればとても便利ですよね。しかし、結論から申し上げますと、接骨院ではレントゲン検査を行うことも、法的な「診断書」を発行することも法律上認められていません。
このルールを正しく理解しておかないと、「会社に提出した書類が受理されなかった」「警察への人身事故の届け出が遅れてしまった」といった重大なトラブルに巻き込まれてしまう恐れがあります。この記事では、富加接骨院の院長である私が、接骨院におけるレントゲンや診断書の法律上の取り扱いから、医師の診断書が絶対に必要となる具体的な場面、そして整形外科との上手な連携手順までを分かりやすく解説します。
接骨院でレントゲン検査・MRI検査は受けられない(法律上の規定)
まず知っておいていただきたいのは、接骨院でレントゲン撮影ができない理由は「機器を置いていないから」だけではなく、法律によって明確に禁じられているからです。
日本の法律(医師法、医療法、診療放射線技師法など)において、人体にエックス線を照射して撮影するレントゲン検査や、CT、MRIなどの画像検査を行う権限は、医師および医師の指示を受けた診療放射線技師のみに限定されています。
接骨院の運営者(柔道整復師)ができること・できないこと
接骨院を運営する柔道整復師は国家資格者ですが、医師ではありません。そのため、以下のようにできることとできないことが法律上厳しく区別されています。
- 接骨院でできないこと(医師法等の規定):レントゲン・CT・MRI撮影、血液検査、病気の診断(病名確定)、投薬(痛み止め・湿布の処方)、注射、手術、メスを使う外科処置など
- 接骨院でできること(柔道整復師法の規定):問診・視診・触診、徒手検査(手を使った検査)、骨折・脱臼の応急手当、捻挫・打撲・肉離れへの施術、包帯・テーピング・副子による固定、手技療法、物理療法など
接骨院で行う「徒手検査」「触診」とは?
「レントゲンが撮れないなら、接骨院の先生はどうやってケガの状態を見極めているの?」と不思議に思われるかもしれません。
柔道整復師は、解剖学や運動学の専門知識に基づき、直接手を使って患部に触れる「触診(しょくしん)」、腫れや皮膚の色、関節の角度を観察する「視診(ししん)」、そして特定の負荷をかけて靭帯や腱の損傷度合いを確かめる「徒手検査(としゅけんさ)」を高度に訓練されています。
例えば足首の捻挫であれば、関節を特定の方向へ動かして緩みがないかを確かめる検査などを行い、どの靭帯がどの程度伸びているかを丁寧に見極めます。ただし、骨の内部のヒビや微細な骨折までを完全に確定することはできないため、骨の異常が疑われる場合は医療機関への受診を強く促すのが本来の誠実な対応となります。
接骨院は「診断書」を発行できる?
会社を休職するときや、交通事故の補償手続きを進める際、多くの方が「診断書」の提出を求められます。接骨院で発行できる書類と、病院で発行される書類の違いを整理しておきましょう。
法的な「診断書」を発行できるのは医師のみ
法律上、正式な**「診断書」を発行する権限を持つのは医師(および歯科医師)のみ**と医師法第20条で定められています。
診断書とは、「医学的な検査に基づき、患者さまがどのような病気やケガに罹患しているかを法的に証明する書類」です。柔道整復師が「診断書」という名目で書類を作成することは法律で禁じられています。
接骨院が発行できるのは「施術証明書」「通院証明書」
接骨院では診断書を発行できませんが、その代わりに**「施術証明書(せじゅつしょうめいしょ)」**や**「通院証明書」**という書類を発行することが可能です。
これは、「柔道整復師が、いつからいつまでの期間、どのような負傷に対してどのような施術を行ったか」という事実を証明する公的な書類です。提出先(職場や保険会社など)によっては、この施術証明書で診断書の代用として認めてくれるケースもあります。
レントゲン等の画像検査や医師の診断書が絶対に必要となるケース
日常生活やケガのトラブルにおいて、「接骨院の施術証明書では代用できず、必ず整形外科の医師による画像検査や診断書が必要となる場面」があります。
以下のケースに該当する場合は、接骨院へ相談する前に、まずは整形外科を受診してください。
1. 交通事故で警察へ「人身事故」の届け出を行うとき
交通事故に遭って首や腰を痛めた場合、警察署へ「物損事故から人身事故への切り替え」を届け出る必要があります。この際、警察の窓口に提出する書類は、**法律上「医師が作成した診断書」でなければ受理されません。**接骨院の施術証明書では人身事故として処理してもらえないため、事故後は必ず速やかに整形外科を受診して診断書を取得してください。
2. 骨折や脱臼が疑われる急性の外傷
転倒やスポーツで足を着けず一歩も歩けない、手首や指の関節が不自然に変形している、骨の一点を押すと激痛が走るなど、骨折や関節の脱臼が疑われる場合は、レントゲン撮影による骨の構造確認が不可欠です。
骨のズレ(転位)を見逃したまま放置すると、骨が曲がった状態でくっついてしまう「変形治癒」を起こし、一生涯にわたる後遺症を残す恐れがあります。また、接骨院で骨折や脱臼の2回目以降の施術を継続するためにも、法律上「医師の同意」が必要となります。
3. 会社の休職手続きで「医師の診断書」を指定されたとき
ケガによって数週間〜数ヶ月仕事を休まなければならず、会社の就業規則で休職手続きを行う場合、人事部や総務部から「医師による診断書」の提出を義務付けられるのが一般的です。この場合も接骨院の証明書では認められないことが多いため、主治医となる整形外科医に診断書を作成してもらう必要があります。
4. 手足のしびれ・麻痺などの神経症状があるとき
首や腰の痛みに加えて、「手足がピリピリとしびれる」「力が入らずスリッパが脱げてしまう」「排尿や排便の感覚が鈍い」といった症状がある場合は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などによる脊髄神経の圧迫が疑われます。
神経の圧迫度合いや椎間板の飛び出し状態を確認するためには、レントゲンだけでなくMRI検査が必要です。これらは医療機関でしか行えない精密検査となります。
接骨院と整形外科を賢く連携・併用する方法
「診断書やレントゲンが必要なら、接骨院には通えないの?」と思われるかもしれませんが、決してそうではありません。
医師の確かな診断を受けつつ、日々の通院やリハビリケアを接骨院で受ける「医療連携のステップ」を踏むことで、安心して身体の回復を目指すことができます。
ステップ1:まずは整形外科を受診して画像検査と診断書を取得する
ケガをした直後や交通事故の直後は、まず整形外科を受診してください。
レントゲンやMRI検査を受け、骨折や神経損傷がないかを確認してもらい、必要に応じて診断書を発行してもらいます。この際、医師に「普段の通院や手技のリハビリは、自宅や職場から通いやすい富加接骨院でお世話になりたいと考えています」と伝えておくと、その後の連携が非常にスムーズになります。
ステップ2:接骨院で日々の手技療法・固定ケアを受ける
医師の診断を受けた後、接骨院へご来院ください。整形外科での検査結果を踏まえ、過度に緊張して固まった筋肉の緩和や、関節の動揺を抑える固定処置、きめ細やかな手技療法をマンツーマンで集中的に行っていきます。
ステップ3:定期的に整形外科で経過観察を受ける
接骨院で日々の施術を受けながらも、数週間〜1ヶ月に一度は整形外科を再受診し、医師に関節の可動域や回復具合をチェックしてもらいましょう。この連携体制をとることで、医学的な安全性と、日常的な手技ケアの心地よさを両立させることができます。
富加接骨院の医療機関連携への取り組み
富加接骨院では、患者さまの安全と安心を何よりも最優先に考えています。
問診や徒手検査を行った際、「骨にヒビが入っている可能性が高い」「神経の圧迫が強く疑われる」と判断した場合は、決して当院だけで抱え込まず、近隣の信頼できる整形外科などの医療機関へ速やかに受診を促します。無理な囲い込みや、危険な自己判断による施術は一切いたしませんのでご安心ください。
まとめ
接骨院におけるレントゲンと診断書の取り扱いについて解説しました。大切なポイントを簡潔に振り返ります。
- レントゲンは医師の専権事項:接骨院では法律上レントゲンやMRI検査を行うことはできません。検査が必要な場合は整形外科を受診してください。
- 診断書と施術証明書の違い:病名を確定する「診断書」を発行できるのは医師のみです。接骨院では施術の事実を証明する「施術証明書」を発行します。
- 整形外科受診が必須の場面:警察への人身事故届出、会社の休職手続き、骨折の疑い、手足のしびれがある場合は、必ず整形外科の診断書が必要です。
- 賢い併用がベスト:整形外科で検査と診断書を取得した上で、日々の手技療法やリハビリケアを接骨院で受ける連携スタイルがおすすめです。
制度や法律のルールを正しく理解し、医療機関と接骨院を上手に使い分けることが、早期回復とトラブル防止への一番の近道です。
受診や書類手続きに関するお役立ち案内
受診先選びや各種手続きにあわせて、以下のページも参考にしてください。
- 接骨院と整形外科の違い|どちらへ行くか迷ったときの受診目安
- 交通事故のケガ:整形外科と接骨院の選び方と併用の注意点
- 仕事中・通勤中のケガ:労災保険利用の詳しい手続きと流れ
- 痛む場所から受診先の目安を確認できる身体チェックツール
受診先やケガの処置で迷ったときはお気軽にご相談ください
「病院でレントゲンを撮ってもらうべきケガなのか分からない」「接骨院でみてもらえる範囲なのか知りたい」という場合でも、富加接骨院へお気軽にお越しください。国家資格を持つ院長が丁寧にお身体の状態を確認し、医療機関での検査が必要な場合は適切な受診をご案内いたします。
当院は予約不要で直接ご来院いただけます。交通事故や労災の手続きに関する疑問もお電話(0574-58-7042)または公式LINEより随時承っておりますので、一人で悩まず安心してご相談ください。
富加接骨院
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※富加町をはじめ、関市、美濃加茂市など近隣地域からも多数ご相談いただいております。



